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くらしの健康診断
2024年05月08日 [くらしの健康診断]

相続登記の義務化から1か月:現場からのレポ

相続登記の義務化
みなさん、こんにちは!
司法書士の清水です。
この4月1日から相続登記の義務化がはじまりました。
今回のブログでは開始前〜開始後1か月のお客様のご相談内容を振り返ってみます。



相続登記の義務化って?
メディアで取り上げられる機会も多かったのでご存じの方も多いかと思いますが、おさらいの意味でも少しだけ概要をお話しします。
令和6年4月1日から不動産(土地・建物)の相続登記が義務化されました。
相続によって不動産を取得した人は3年以内に相続登記を申請しなければいけなくなりました。(ただし、亡くなった方の不動産が後ほど発見された場合、発見した時点から3年以内)
正当な理由なく3年間、登記をしないでいると10万円以下の過料に処されることもあります。
義務化の背景としては、九州本島の大きさに匹敵するともいわれる広大な登記簿を見ても所有者が分からない「所有者不明土地」の問題があげられます。
管理が行き届かないことで治安や景観の悪化につながるかもしれません。また、行政の防災対策や開発などの妨げになることも指摘されています。

当所への相談状況は?
新聞、テレビ、雑誌などで多く取り上げられた昨年の夏くらいから少しずつ相談が増え始め、年明けから開始前まで駆け込みでの相談が多く寄せられました。
気になっていたけど、目の前の生活に追われて放置してきたのでこの機会に手続きをしようと思った方、今回の法改正をきっかけに権利関係が気になった方が多く見受けられました。
例えば、「親から実家を相続したものの、定年退職して故郷にUターンするからその時に登記手続きをしようと何十年もそのままにしていた」、「祖父母の代からある不動産の登記がきちんとなされているか心配で調べてほしい」というような内容です。
遺産分割協議から何十年もたっていると、その間に当時の相続人が亡くなってしまい、その次の世代に権利関係が移っており手続きにお金も時間もかかることになってしまったケースもありました。
その方は、円満に相続人間で話し合いが済んだことに安心してしまい、実際の手続きをするのを後回しにして今に至ったことを大変後悔されていました。
やはり、その時に必要な手続きを漏れなく行うことが、後々の労力や手間を考えると大切です。

開始後の今は相続登記の相談はもちろんのこと、今回の法改正で皆さんの登記に対する意識が向いているためなのでしょうか、名義変更や表題登記など「登記」関連全般の相談が増えています。
また、この機会に長年、放置していた空き家を処分したいなど不動産に対する問題意識や関心も高まっていることを感じています。

正しい情報の取捨選択の大切さ
お客様の中には誤った情報を耳にしてしまったことで「過料」を「罰金」と勘違いされて、慌てて相談にいらっしゃった方もおりました。
いわゆる前科がつくことになり、社会的な制裁を受けるのではないかと過度に恐れており、「過料を支払わなかった場合は財産の差し押さえなど強制執行を受ける可能性はありますが、犯罪を犯したわけではなないので大丈夫ですよ」とお伝えすると安堵されていました。

テレビ、新聞、インターネット、SNSなど情報収集の方法は広がっていますが、忙しい中でどうしても断片的な情報が耳目に触れてしまう場合もあります。
そのような場合、情報が正しいのか取捨選択することもなく、自身にとって印象に残った情報だけが記憶にとどまってしまいます。
不確かな情報であっても、あたかも正しいものだと思い込んでしまった結果、誤った情報に惑わされたり、不安にかられてしまうことも少なくありません。

今回のような法改正や最新の制度などの情報を専門家として、わかりやすく情報発信していくことの重要性をあらためて認識しました。

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