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くらしの健康診断
2026年02月11日 [くらしの健康診断]

不動産売却:後見人としてのかかわり方

不動産売却
みなさん、こんにちは!
司法書士の清水です。
当所では常時50名近くの方の被後見人(任意後見含む)の生活サポートをしています。
最近のブログでは不動産に関することを取り上げました。

「その相続ちょっと待った!〜不動産相続」
不動産を相続することのメリット、リスク・デメリットについて説明しています。

「空き家問題に今すぐ対応を!」
空き家にしてしまうことの問題点と対応策について説明しています。

今回は、後見人として財産管理の一環で、被後見人の不動産を売却する際にどのようなことに注意を払っているのかついてご紹介します。

被後見人の不動産を売却する際の注意点

「被後見人の利益」を第一優先

被後見人にとって重要な財産である不動産を後見人だからといって、やみくもに売却をするわけではありません。
被後見人の利益を第一優先に、生活状況、健康状態、資産状況などを総合的に捉え売却の可否を判断しています。
どこでどのように暮らしてゆくのか?、予想される療養介護費用を預金や年金から支出しても収支がマイナスになって資金ショートしないのか?
例えば、晩年になって資金ショートしてしまうことで、永らく住み慣れた老人ホームを退去しないといけないような事態が起こってはいけません。
安心して穏やかな暮らしが脅かされるような不利益を被らないために資産の有効活用の最終手段として不動産売却を検討するようにしています。
特に施設に入所している場合、施設の入所費用や介護・医療費の他に、不動産の維持管理のための最低限の修繕費用、火災保険料、固定資産税などもかかります。
介護療養費と不動産固定費の二重に支出が嵩むことになり、ご本人とって多大な経済的な負担が生じてしまいます。

推定相続人への意見照会

推定相続人に売却が必要な理由を明示した文章を送付し、売却への意見を求めます。
なお、売却に反対される場合でも、本人の経済事情や建物の老朽化、防犯などの観点から家庭裁判所と協議のうえ、売却せざる得ない場合がありますことを予めご了承いただくようにしています。

家庭裁判所の売却許可は必須

自宅を売却する際には、必ず家庭裁判所の許可を得る必要があります。売却が被後見人にとって有益であることをきちんと説明します。
また、売却代金の管理も重要です。売却代金を被後見人の生活費や医療費として適切に活用するため、収支予定表を含め資産管理の計画を立て、定期的に家庭裁判所に報告します。

売却手続きの透明性

売却のプロセスは透明かつ公正でなくてはなりません。複数の不動産業者から見積もりを取るなど、公正な価格での売却を行えるようにしています。

信頼のできる不動産業者選び

不動産の査定を依頼した際、市場価格や相場に基づいた査定額なのか、査定の根拠が明確に説明されているかを確認します。
被後見人の所有物件は横浜市内や首都圏に限りません。地方都市に親御さんから相続した不動産をもっていたり、セカンドハウスとして若い頃に購入した不動産をもっている場合もあります。
特に遠隔地にある不動産の場合は、物件のある不動産会社が売買に関連してくることもあります。
そのような場合は、より慎重に不動産業者の実績と信頼性を確認する必要があります。
特に取り扱う不動産の種類(住宅、土地、商業物件など)に関する経験が豊富である業者を選ぶようにしています。

主として上記のようなことをポイントに後見人として不動産売却を行っています。
司法書士は登記業務など常日頃から不動産取引にかかわる機会も多いですし、当所では不動産の個々人間売買や相続された不動産(特に遠隔地にある不動産)の売却や有効活用方法についてアドバイスすることが増えておりますので、
比較的経験はあるほうだと思っています。
しかし、慢心してはいけないと常に気を引き締めて業務にあたっています。不動産業界では「不動産は水物」と呼ばれているように、不動産市場は予測しにくく、価格や需要が変動しやすいものです。
被後見人からお預かりしている大切な財産をどのように有効活用できるかによって、その後の生活も変わってきますので、ひとつひとつのプロセスを慎重に進めつつ、状況に応じて臨機応変に対応できる柔軟性も失わないようにしています。